Twelve Y.O.

カテゴリ:小説
日時:2004/08/20 08:14


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コンピュータウイルス「アポトーシスII」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米軍に対してテロを続ける「12(トゥエルブ)」。日米の政局を混乱に陥れる力を持つ極秘文書「BB文書」を握る彼には、誰も手が出せない。そして、ペンタゴンはついに彼の要求を呑み、沖縄から海兵隊を撤退させたのだった……。

「テロには屈しない」はずのアメリカが、たった1人のテロリストに屈服したのはなぜか? 彼が握るBB文書の正体とは? 海兵隊撤退後もテロを続ける12の「真の目的」とは? というわけで、福井 晴敏である。実質的なデビュー作にして、ダイス三部作の真ん中。『川の深さは』のラストに登場した人物と、物語の中心になっていた「アポトーシス」の改良型がキーの1つになっている。ラストの戦いは、『亡国のイージス』序盤でほのめかされていた「ある事件」である。このように、三部作は密接なつながりを持っている。

時系列上は、「川の~」「Twelve~」「~イージス」なのだが、イージスを最初に読んだ方が面白いだろう。イージスは、「あれ」の正体や沖縄の事件の真相が謎のままの方が楽しめるし、Twelve最期の事件がどのようにイージスにつながるのか考えながら読める。

解説の大沢在昌は、川の深さよりもTwelveの方が落ちると書いているが、俺はTwelveの方が面白かったなぁ。ウルマが、某アニメの「あれ」とダブって見えるのには苦笑したが。