1994年10月のコンピュータ業界

カテゴリ:雑記
日時:2005/03/05 11:33

またまた、過去の仕事用データをのぞいてみる。今回は、「WinMag/94_12/」というディレクトリ。Windows Magazine 1994年12月号(1994/11売り)用の作業ディレクトリで、ファイルのタイムスタンプは1994/10だ。

自分が書いた記事には反映されていないが、この当時は開発コードネームDaytona(Windows NT 3.5)のβ版を雑誌の付録CD-ROMに収録したりした辺りだったと思う。

NTはTCP/IPスタックが標準搭載だったので、当時はDaytonaを使ってWeb(NASAやローリングストーンズのサイトくらいしかなかったが)を見たものである。Windows 3.1はTCP/IPスタックが搭載されておらず、LAN Manager&ChameleonやTrumpet Winsockを使わねばならなかったので大層苦労したなぁ。 ついでに、この月から執筆を担当するようになったコーナーの原稿を見ると、当時の仕事マシンが明らかに。PC-9801Nd。NECの98ノートである。スペックは、

 CPU:486SX/33MHz
 メモリ:5MB
 ディスプレイ:640×480ドット/256色 DSTN液晶

スゲーしょぼい。メモリ5MBかよ。これにPCカードのNICを挿して、Windows 3.1+LAN ManagerでアスキーのLANに接続していたのだ。ちなみに、当時プライベートで使っていたのは9801NA/Cだった……。

激しく脱線したが、当時のニュースからめぼしいものを拾うと、いま松下のソフトウェア特許問題で話題のジャストシステムが一太郎 Ver.6 for WindowsとATOK9を発表している(発売は12月だけど)。一太郎のWindows版は、確かVer.5からであったか? Ver.4.3(DOS版)を愛用していたので速攻で買ったが、あまりの出来の悪さに絶望したのを覚えている。

この当時はIMEも多かった。バックスのVJE-Delta Ver.1.1とエルゴソフトのEGBRIDGE 6.0 for WindowsがATOK9とともにニュースになっている。

ハードウェア関係では、IBMがPS/V Vision(な、懐かしー)の新型を発表している。「踊る大捜査線」のTVシリーズでも使われてましたな。搭載しているCPUが「IBM 486SLC2/66MHz」ってのも時代を反映していて面白い。コイツはIntel 486SX互換CPUなのだが、倍速クロック内蔵といった独自拡張が施されている。いまやIBMといえばPowerPCやPOWER、Cellだが、昔はIntel系CPUも作ってたんだよねぇ。

そのIntelは、この時期にIntel DX4 OverDriveプロセッサを出している。OverDriveってのも時代を感じさせる単語だな。たかが3倍速(25MHz→75MHz、33MHz→99MHzもとい100MHz)なのにDX4ってところに、Intelの巧さが現れているね。