東亰異聞

カテゴリ:小説
日時:2004/10/06 22:43


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全身火だるまの火炎魔人、夜道で人を切り殺す闇御前、さらに居あい抜きの辻斬りや人魂売りに首遣い。怪しげなものどもが徘徊する帝都 東亰。連続する不可解な事件を追う新聞記者の平河は、闇御前に襲われて一命を取り留めた鷹司常熙と知り合う。

さらに調査を進めた平河は、事件の背後に鷹司公爵家のお家騒動があることに気づく。共に家を継ぐ意志はないと明言する長兄と次兄。自分の想い人を公爵家の当主に推す女たち。主人思いの使用人と口を挟む親族たち。誰がどうやって奇怪な事件を起こしているのか? そして、お家騒動を起こした真の黒幕とは? というわけで、またまた小野不由美。虚実をたくみに織り交ぜた物語になっている。

鷹司公爵家はもちろん実在の鷹司家。お家騒動の渦中にある兄弟の父熙通もまた、実在の人物である。それ以外はさすがにフィクションだろうと思うところだが、直と常の下の2兄弟、信輔信熙もまた実在の人物だったりする。だが、それでもフィクションである。史実と重なりながら史実ではない、このゆらぎが何とも落ち着かなくて面白い。

さらに面白いのは、ミステリとしてちゃんと論理的に真実を解明するにもかかわらず、ラストで一気に「理屈」を壊してしまうところだろう。「あの人物」が正体を明らかにしたとき、夜が人のものであった時代は終わりを告げる。