終戦のローレライ I

カテゴリ:小説
日時:2005/01/25 23:48


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昭和20年。ドイツの潜水艦ゼーガイストは、日本に接収されて戦利潜水艦・伊507となる。

軍令部第一部第一課長 浅倉の密名を受けて伊507の艦長に就任した絹見。一切の事情を秘匿されたまま横須賀から転属させられた17歳の折笠と清永。特殊兵器ローレライ・システムの担当官、元SSのフリッツ。

さまざまな男たちを乗せた伊507は、米軍機の爆撃を受けながら出撃する……。 映画公開も間近となり、ようやく文庫化されたので購入。おっさん、少年、少女?……登場人物が実に福井晴敏らしいワンパターンぶりなのにはやや苦笑。

ローレライについては賛否両論いろいろ見てきたが、個人的には好きな部類の話なので満足。呉に向かう折笠と清永のエピソードがやや冗長ではあるが、序章の潜水艦同士の戦闘、伊507へと向かう一行を襲うコルセア、そこに現れる伊507などなど、見せ場はきっちり押さえているし。

これまた福井らしいところだが、全貌が明かされていない謎兵器、それぞれ過去があることをほのめかされるおっさん軍団絹見、浅倉。親の記憶が引っかかり続ける主人公? 折笠といった要素が序盤となる第1巻にちりばめられている。楽しませてくれるなら、それもよろしかろう。

この段階ではローレライ・システムについてほとんど分からないわけだが、どうも何かと重なって見えるんだよなぁ。

ちなみに、UF4(伊507独海軍仕様)、ナーバル(UF4搭載仕様)、パウラ胸像がセットになったフィギュア付きBOXセットなんてのも3月に出るらしい。