ハプスブルクをつくった男

カテゴリ:オーストリア史
日時:2004/09/29 23:36


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皇帝にならなかったにもかかわらず、ハプスブルク家の中で強い存在感を持つ男、建設公ルードルフ4世(本書では「ルドルフ」)が本書の主人公。

むちゃくちゃな手段でティロルを奪い取り、捏造もろばれの特許状を皇帝カール4世に突きつけて「大公」を自称する。短い治世ながら、その後のハプスブルク家に大きな影響を与えた彼の生き様とは? 以前から興味を持っていたルードルフ4世。そんなわけで、著者名にやや躊躇しつつも手にとってしまった。『戦うハプスブルク家』のような、自己陶酔気味の文体はやや抑えが利いており、さほど鼻に付かなかったので一安心。ただし、ルードルフ4世にやや入れ込み気味なので、やや気持ち悪かった。

新書なのでやや食い足りないが、それなりにはまとまっている。さほど目新しい話はなかったが、日本でルードルフ4世をメインにすえた書籍は本書のみだろう。ルードルフ4世についてざっくりと知るにはちょうどよい。それに、ルードルフ4世自身が十分面白いのだから、彼を扱った本が面白くないわけがない。

ハプスブルクに興味がある人にはオススメ。