太陽の簒奪者

カテゴリ:小説
日時:2005/06/19 18:20


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野尻抱介による、2部構成の長編SF。

水星から突然吹き出した物質でできたリングにより、地球は日照量が激減。何億もの餓死者が出る状況下で、太陽を取り巻くリングをいかに破壊するか。高校生だった主人公の亜紀が大人になり、科学者としてリング破壊ミッションを遂行するところまでが第1部。 第2部は、リングを作った異星文明とのファーストコンタクトまで。膨大な質量と速度を持って太陽系に突入してくると予想される物体。あらゆる手段で行われる呼びかけにも応答がない。人類は彼らとコンタクトできるのか? 敵対行為を受けたとして、対抗手段はあるのか?

というわけで、久々のSF。読後感もよく、非常に面白かった。

物語の開始は2006年。宇宙モノとはいえ、人類は大したテクノロジーを持っていない。われわれが普通に知っている技術だけで、人類はナノテクを駆使する異星人の技術や意志を理解しなければならない。

リング建設の目的。冒頭の永楽22年のエピソードの意味。異星人宇宙船の減速方法。戦いではないファーストコンタクトを追求する主人公が最後に知る真実とは?読み進めるうちに、何度も衝撃を受けることになる。

数年後、また読み返すことにしよう。