ローマ帝国の神々 光はオリエントより

カテゴリ:宗教史
日時:2004/08/10 23:28


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古代ローマ帝国は、版図に加えた地域からさまざまな文化を取り入れてきた。その中には、エジプト、シリア、パレスチナといったオリエント発祥の宗教も含まれる。

本書は、イシス信仰からミトラス教、ユダヤ/キリスト教、グノーシス主義、占星術がローマにどのように導入され、受容されていったのか。各宗教の教義や密儀も含めて解説する。 ローマ帝国とユダヤ/キリスト教の関係については、高校レベルの世界史をはじめ、語られる機会も多い。『原始キリスト教の背景としてのローマ帝国』なんて本もある。

一方、イシス信仰をはじめとするエジプトの神々やシリア、小アジアの宗教、ミトラス(ミトラ)教との関係となると、概説書レベルで語られることはあまりないのではないだろうか(グノーシス主義やミトラ教の専門書では見たことがあるけど)。古代ローマと宗教という切り口における入門書としてはちょうどよい。新書でこれだけの宗教を扱っているだけに、やや物足りない面もあるが、そのときは専門書に当たればいいだろう。