歩兵の本領

カテゴリ:小説
日時:2005/03/26 18:45


 (定価)

在庫切れ (Amazon価格)

なし (Amazonポイント)

 (私のおすすめ度)

在庫切れ

(価格・在庫状況は11月24日 12:44現在)


1970年代の自衛隊を舞台にした、さまざまな自衛官の笑いと涙の物語。毎回主人公が異なる短編集だが、同じ営内班の物語なのでほかの登場人物も共通。別の話で再登場した人物が、違った一面を見せることもある。

自衛隊経験者の著者の体験がベースになっており、登場する自衛官の言動などはリアリティ満点。 幽霊が出る駐屯地宿舎で不寝番をすることになった2人の士長が見た、旧軍少年飛行兵。半長靴をなくして右往左往する二等陸士。演習のドサクサにまぎれて自分をいじめる上官を殺そうとする話。

ほかにも、借金始末記に入営(自衛隊入隊)を拒む新隊員、入営後初めての外出で見た現実、脱走しようとする話や大晦日に歩哨を命じられた話など、陸自の「大事件のない」日常が描かれる。

「浅田次郎らしくない」という評判も聞くが、個人的には淡々と市ヶ谷の生活を綴ったテイストは好きだな。森士長「xxxを殺せ」、和田士長「了解。xxxを殺します」なんてやりとりに、絶妙なユーモアを感じる。「踊る大捜査線」のノリでドラマ化したらさぞかし面白いと思うのだが。