鏡像の敵
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神林長平の初期短編集。「時間触」からの再録が3編あるが「酸性雨」は含まれないなど、ちとややこしい構成だが、俺にとっては6編すべて初見なので問題なし。
どれも神林テイストあふれる作品である。
表題作「鏡像の敵」は、人間の憎悪を食べる怪魔を狩る装甲スーツをまとった軍人の物語。怪魔を追っていた彼は、自分自身と対峙する。装甲スーツの中にいるのは誰なのか?
「渇眠」は、「睡眠」と「時間」がテーマ。主人公を襲う、歪んでいく時間の原因とは?
普段は当然のこととして気にもとめない概念を崩したり、現実と虚構の境界を曖昧化したり転換したり。やはり神林長平は神林長平。脳みそ刺激されっぱなしである。