τになるまで待って
カテゴリ:小説
日時:2005/09/11 15:14
森博嗣のGシリーズ第3弾。
山奥にある超能力者神居静哉の屋敷を訪れたGシリーズの学生3人集+探偵赤柳。被験者を異界にいざなう神居の超能力に翻弄される面々。
しかし、その後神居は密室で殺害される。彼がその直前に聞いていたラジオドラマは「τになるまで待って」だった……。 今回も、Gシリーズらしい仕上がり。「Gシリーズらしい」とは、
・トリックは拍子抜け(意図的?)
・動機はあいまい
・犯人は不明確
ミステリとしては確かに面白いが、上記のような特徴があるために「謎の解明」のときに得られるカタルシスがないというか、「もやっと」感が残ってしまう。
それよりも、見所は四季の影がより強調されてきたことだろう。シリーズ全体でテーマを四季に収斂させるつもりのようだ。そして、今回は「あの人」が錯綜する人間関係の中に加わってくる。しかも、萌絵たち以上に核心に近い様子。
くやしいが、Gシリーズから目が離せん。