敵は海賊・短篇版
カテゴリ:小説
日時:2009/08/30 21:29
敵海シリーズの短篇を4つ収録した短編集。ただし新作は「匋冥の神」の1篇のみ。
私の場合、既読作は『狐と踊れ』収録の「敵は海賊」だけ。「わが名はジュティ、文句あるか」と「被書空間」は、存在は知っていたが未読だった。でも、アノ短篇を読むためには『雪風解析マニュアル』買うしかないんだよねぇ……。
「わが名はジュティ、文句あるか」のような、ラテルもアプロも匋冥も出てこないサイドストーリーはいいね。それでも敵海世界というか神林世界は揺るがないし。
「被書空間」は、ラテル、アプロ、ラジェンドラと雪風を邂逅させつつ、必要以上に絡めてお互いの世界観を壊すようなことをせず、雪風世界の解釈・解説をさせる微妙な距離感が絶妙(『雪風解析マニュアル』掲載用だしね)。
「匋冥の神」は、語り部がオールドカルマでもよかったかな。また、クラーラ誕生前後の展開がやや強引だったような。
さて、『アンブロークン アロー』が文庫本になるのはいつになることか。