星界の戦旗 IV 軋む時空
カテゴリ:小説
日時:2004/12/24 01:13
前作『星界の戦旗 III』から3年9カ月。半ば「出ることはあるまい」と思われていた続編がようやく登場。
アーヴによる人類帝国と三ヶ国連合の戦争は7年目に突入し、帝国は新たな作戦を発動する。ラフィールとジント、ラフィールの弟ドゥヒールは、それぞれ帝国の一員として双棘作戦に出撃する。戦況は帝国に有利に展開していたが、中立を維持していたハニア連邦が事態を大きく揺り動かすことに。 これまで地上での追跡劇といったスペオペっぽいシーンやラブコメ風味があったりと、微妙に作品世界のスケールが活かせていなかったが、今回は戦闘&政治劇が中心。ようやく「デーヴ」森岡浩之の偏執的な舞台設定が真価を発揮してきた感じ。ドゥヒールの困難な未来の暗示、ラスト2ページで起こった事態の急転など、続きが気になる1冊になっている。IIIはまがりなりにも話の区切りが付いていたからよいが、IVの終わり方で待たされるのは辛いぞ。あとがきを信じたいところだが、デーヴだしな……。
さて、昔からのファンにとって、3年9カ月は長かったことだろう。俺は「星界」に手を出したのが2003年だったので、あまり待たされずに済んだのだが。
もともと、シリーズ第1作『星界の紋章 I』が出た当時から気にはしていたのだが、表紙イラストに引きまくって手が出せなかったのだ。絶対表紙で損をしていると思うんだけどなぁ。が、ラフィールに萌えている人も多いようだから、これでよいのかもしれぬ。平面宇宙での戦闘場面など、なかなかSFしていると思うのだが……う~ん、やっぱりラノベかなぁ。