フランチェスコの暗号 下

カテゴリ:小説
日時:2005/05/06 17:07


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『Hypnerotomachia Poliphili(ヒュプネロトマキア・ポリフィリ)』に隠された暗号が次々に解読され、ついにフランチェスコの真意が明らかになる下巻。

……う~ん、中途半端な話だねぇ。解読部分は確かに面白いのだが、上下巻通して解読部分の比重は決して高いとはいえない。大部分は、あまり感情移入できない登場人物たちの、不可解な言動に費やされている。 暗号とその解読に集中したくて脇役の動きを読み流していたら、なぜチャーリーとギルの仲がもつれたのか分からなくなっていた。というか、主人公を含む登場人物の行動原理がいまひとつ理解できない。

結局のところ、これは単なる「米国大学生の青春物語」なんだな。暗号解読はただのつけたしにすぎない。

帯に、「フィッツジェラルドとウンベルト・エーコとダン・ブラウンの共著はこうなる!」などとあったので期待したが、ウンベルト・エーコのようなものを想像するともの凄く失望させられるだろう。あくまでも青春小説なんだから。

けど、青春小説としても面白いとは思えないな……。