名刀 その由来と伝説
カテゴリ:日本史
日時:2005/05/25 00:52
本書は、日本刀の中から五十振りの名刀を取り上げ、その伝承・伝説や歴代所有者といった由来を中心に解説している。
前書きで「スペック・専門用語を並べられたのでは、刀への関心そのものが失せてしまう」と語っているが、刃渡りや反り、太刀の佩き方や刀の差し方など、日本刀の基礎知識も折に触れて分かりやすく紹介している。巻頭の刀身写真と本文を見比べながら読むといいだろう。 取り上げられている名刀は、誰でも知っているものから初めて聞くものまで(多分俺が無知なだけ)。
日本武尊が使ったとされる草薙剣や源頼光の童子切安綱、大河ドラマにも登場した、源氏に伝えられた髭切(鬼切)、義経が手にした薄緑。
平教経が厳島神社に奉納した厳島の友成、足利尊氏が愛用した薙刀、骨喰藤四郎。前田家に伝えられた大典太光世や信長が茶坊主を棚ごと圧し切ったへし切長谷部、そして「徳川家にとってだけ」縁起の悪い妖刀村正などなど。
取り上げている五十振りすべての写真があるわけではないのがちょっと残念。草薙剣や現存しないものは仕方がないのだが……。