蒼いくちづけ

カテゴリ:小説
日時:2005/07/17 11:27


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テレパシー能力者「テレパス」と普通人が(一応)平穏に共存している時代。

テレパスの少女ルシアは恋人に裏切られ、脳死に至る。死の直前に彼女が感じた憎悪は、死後も残留して人々を傷つけ始める。

ルシアの最後の念に命を救われた無限心理警察刑事OZは、ルシアを救うために動き出した。 神林作品の中では比較的シンプルな展開。その分、描写に力が入っているような気がする。好きな作品の1つだ。

怖い。恐怖で張り詰めた空気感が伝わってくるようだ。特に検死のシーンが怖い。検死を担当したヘッダの恐怖がよく分かる。

ルシアの怒り、絶望、憎悪を止める術はあるのか? そのとき、平気で犯罪者を殺し「火葬屋」と呼ばれるOZの人間性が垣間見られる。そして、ラストシーンへ。

あのラストはありがちかもしれないが、非常によかった。あの終わり方でなかったら、読後感の悪い話になってしまったことだろう。