川の深さは
カテゴリ:小説
日時:2004/08/11 23:30
世捨て人然とした生き方をしている元刑事の警備員。彼の目の前に突然現れた1組の男女。彼らの世話を焼くことに己の存在価値を見出した警備員は、日米そして「北」が蠢動する陰謀に巻き込まれていく。
新興カルト教団が引き起こした地下鉄爆破テロは、さらなる陰謀の始まりにすぎなかった……。 というわけで、福井晴敏のダイス三部作1作目読了。『亡国のイージス』とは切り離しても読めるし、その前史(ダイス誕生秘話)としても読める。ただし、イージスに名前だけ登場する「アポトーシス」が生まれた経緯もあり、やはりシリーズとして読んだ方が楽しめる。
難をいえば、人物がステレオタイプすぎるところか。桃山と保が、仙石と行とダブって見える。葵も、いかにも「守られるヒロイン」って感じ。それだけに読みやすいともいえるのだが。
と、一応ケチを付けてみたが、非常に楽しめた。次の『Twelve Y.O.』も読まなきゃ。『二人のガスコン』は当分中断だなぁ。