謎解き 伴大納言絵巻

カテゴリ:そのほか(暫定)
日時:2004/10/12 22:39


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初期絵巻物の1つ『伴大納言絵巻』には、「謎の人物」が描かれていることで知られている。清涼殿の庭に立つ束帯姿の貴族と清涼殿広廂に控える貴族。この2人は何者なのか? この謎に多くの研究者が挑み、さまざまな説を唱えてきた。

本書は、絵巻の基礎から研究史までを分かりやすく解説しながら、『伴大納言絵巻』の「本来の姿」と謎の人物の正体に迫る。 本書の「はじめに」には、「この本を手に取られている読者の方々の多くが、おそらくこの二人が<謎の人物>とされていることを知っておられるに違いない」とある。んが、恥ずかしながら謎の人物どころか『伴大納言絵巻』の存在すら知らなかった。ま、「畑違いだし」と言い訳しとこう(笑)。

前述したとおり、「絵巻物とはなんぞや」というレベルから始まり、絵巻に関する用語なども解説しているので、「畑違い」の俺でも話についていけるようになっている。また、謎の人物の「謎解き」が主要なテーマになっているとはいえ、謎の人物とは直接関係ない部分も含めて『伴大納言絵巻』全体の読み解きに言及しており、絵巻物の味わい方の初歩も学べる。

しつこいようだが、俺は門外漢なので本書が唱える説が正しいかどうかは判断できないが、「もっともらしい」とは思った。それよりも、論理的な思考過程を楽しむべきだろう。これこそが謎解き本の醍醐味なのだから。