江戸の旗本事典

カテゴリ:日本史
日時:2004/12/07 00:40


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知っているようで知らない「旗本」。彼らはどのような生活をしていたのか? 家督相続の方法、江戸城中の作法、仕事に昇進、報酬、家計、本家と分家の関係や家来まで、旗本および御家人の誕生から死までを分かりやすく解説。

江戸学の大家、三田村鳶魚最後の弟子による本当の旗本とは? 江戸時代の旗本と御家人の違いなど、いままで意識したこともなかったが、本書のおかげでかなり整理できた。これからは寛政譜を見るときも意識することにしよう。

本書は、制度のお堅い解説も多いが、当時のエピソードも豊富に取り込んでおり、楽しく読める。鉄砲を携えて(もちろん家来が)美濃に墓参りに行った旗本が、帰りは「入り鉄砲」になるということで関所で止められて難渋する話や、上司のおかげで出世の手がかりを掴んだ御家人。元上司は御家人(のち旗本)の出世を喜び、御家人は元上司の死後も感謝し続ける話など、実に人間くさい。時代劇では悪役にされることも多い旗本だが、彼らも苦労しているのだなぁ。

お役を務めるのも大変そうだし、旗本が退屈しているヒマはなさそうである。