江戸三○○藩 バカ殿と名君 うちの殿さまは偉かった?
カテゴリ:日本史
日時:2004/12/21 21:12
『江戸三○○藩 最後の藩主 うちの殿さまは何をした?』の続編。
現代の都道府県ごとに旧幕藩の項目を設け、各藩の簡単な歴史と代表的な藩主&エピソードを紹介。例えば、和歌山県であれば新宮藩、田辺藩、和歌山藩といった具合。必ずしも藩と県境が一致するわけではない(というか一致しない)が、細かいことは気にしないこと。また、タイトルは「バカ殿と名君」だが、紹介されている藩主はバカ殿でも名君でもない人物が多い。
それらとは別に、保科正之、上杉鷹山など、「名君とされている」人物を特に取り上げる章や歴代徳川将軍を一人ひとり著者の視点で評価する章あり。 二匹目のドジョウを狙った観がないでもないが、前作と同様、話が細かく区切られているので(藩ごとだし)、通勤中に読むのにちょうどよいのである。
わりと人気が高い保科正之を、バカ殿としてバッサリ切り捨てているところが面白い。ただし、鷹山や池田光政は絶賛している(手放しで褒めるわけにはいかないとはしているが)ところを見ると、単なるひねくれモノというわけではなさそう。
例によって小藩の記述はあっさりしていて寂しいところではあるが、空いた時間を有意義に過ごせる1冊ではある。