平家物語 あらすじで楽しむ源平の戦い

カテゴリ:日本史
日時:2005/04/05 00:28

平家物語 あらすじで楽しむ源平の戦い

平家物語 あらすじで楽しむ源平の戦い

板坂 耀子

中央公論新社

¥ 798 (定価)

なし (Amazonポイント)

4.5 (私のおすすめ度)

新書


文学作品としての「平家物語」を楽しむ・味わうために、まずザックリとあらすじで全体像を掴むべし。

このコンセプトのもと、本書前半で3つの反乱(鹿ケ谷の変、高倉宮(以仁王)謀反、頼朝旗上げ)と3つの戦い(一ノ谷、屋島、壇ノ浦)に焦点を当ててあらすじを解説。

後半では、清盛重盛宗盛知盛という構造を軸に平家物語を読み解いていく。 始めにも書いたように、本書は「平家物語」を文学として楽しむことを目的としたものである。史実と物語の対比(平家物語ではxxxだが、史実ではxxxとか)は本書のテーマではない。

例えば、平家物語において、「平家の良心」として描かれている重盛が、実際にどのような人物であったかについては一切考察していない。なぜそのように描かれているのか、物語の構成においてどのような意味を持つのか。それを著者なりに読み解いていくのが本書の目的なのである。

近松や馬琴らによる二次創作も必要に応じて紹介されており、平家物語の広がりを感じることができる。このような工夫と読みやすい語り口で、なかなかに深い考察も自然に読めてしまう。

重盛が死んでしまったいま、タイミング的にはやや遅い気もするが、大河の副読本として読んでみるのもいいだろう。本書を読めば、宗盛がなぜバカなのかが理解できる。