関ヶ原 (下)
カテゴリ:小説
日時:2005/11/07 21:45
美濃に集結する東軍、西軍。大大名の狭間で身の処し方を迫られる小大名たち。
動き出した東軍が、織田信長嫡孫、秀信の岐阜城へ攻撃を開始する。そのまま大垣城を無視して大坂に進軍するそぶりを見せる東軍に誘われ、西軍も移動開始。
関ヶ原で対峙した両軍。布陣および兵力で優位に立った西軍だが……。 石田三成の痛々しさがツライ下巻。イヤなヤツだし、将としての器量も能力もない。やはり好きにはなれないのだが、痛む腹に苦しみながら雨の中を奔走する三成が切ない。でも、自業自得なんだよなぁ。
関が原の描写はさすが。何度読んでも楽しめる。実に司馬遼である。
ちなみに、「関ヶ原」の福島正則や加藤清正は欠点も含めて実に人間くさいのだが、同じく司馬遼の「城塞」を読む前と後では印象が変わってくる。彼らもまた、自業自得なんだよなぁ。