二人のガスコン (下)
カテゴリ:小説
日時:2004/08/30 23:28
ようやく下巻読了。
正体が明らかになった鉄仮面の争奪戦に突入。ダルタニャンは、鉄仮面の身柄を確保するため、大胆な策を決行する。そのとき、ダルタニャンはすべてを理解してしまうのだった……。 何か、マザランがかっこいいぞ。ダルタニャンよりも、シラノよりも。ずっと。主人公2人が賢しげに「エスプリの赴くままに」「ガスコンはどーのこーの」などと気取ったところで、マザランのスケールにはまるで及ばない。文中、主人公たちを「快男児」などと表現しているが、むしろウザいと感じたことの方が多かった。それに比べ、マザランは漢だったな。
読後感もいいし、ストーリーは面白かった。が、やはりムダが多すぎ。全体で半分くらいの文章量に削ったら、展開が早くなって痛快な話になるのにな。多分、佐藤賢一のセリフ回しが生理的に嫌いってのも作用しているんだろうけど。そんなわけで、通勤時の暇つぶしには最適だったが、この本のために時間を割こうとは思わなかった。俺にとってはそのレベル。
子どものころに読んだ『三銃士』(『ダルタニャン物語』だったか?)とは微妙に齟齬があったな。というか、断片的にしか覚えてないせいか。解説によると、鉄仮面の正体も、デュマのxxxだけじゃなくxxxって説がもともとあったのか。『ガスコン』の展開も、元ネタがあったわけね。いや、勉強になった。最期の解説部分が一番面白かったと思ったのは、ここだけの秘密だ。