骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと

カテゴリ:日本史
日時:2005/04/22 22:36


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昭和33年の増上寺徳川将軍墓の改葬に際して、歴代将軍、正室、側室たちの遺骨が調査された。本書は、その調査結果に仙台藩主伊達3代、尾張藩主徳川家、高遠藩主内藤家などの遺骨調査結果を加えたものである。

墓の内部構造(どのような棺で、中に石灰や水銀が入れられていたとか)、発掘時の遺体の状態、各頭蓋骨の特徴(形や歯の磨耗状態など)などを、それぞれ写真入で詳しく解説している。 本書に登場する徳川将軍家の人々は、当然ながら増上寺に葬られた人のみ。2代秀忠(遺体写真はちょっと切ない)、甲府宰相綱重、6代家宣(キレイな歯だなー)、7代家継(棺内に……)、9代家重(遺体全身の写真あり)、12代家慶(肖像画と頭蓋骨を見比べると……)、14代家茂(髪の毛がバッチリ残ってます)。

女性は、崇源院(秀忠正室)、天英院(家宣正室)、広大院(家斉正室)、天親院(家定正室。彼女も頭蓋に毛が残ってますな)、和宮(家茂正室。歯には鉄漿)、桂昌院(家光側室。「大奥」のお玉)、そのほか月光院に契真院、見光院ほか。

尾張藩主家からは、慶勝義宜親子、伊達家からは政宗忠宗綱宗の3代。

特に徳川将軍家は、正室と側室の遺体がある程度そろっており、分析が可能になっている。正室の頭蓋骨は特徴がバラバラだが、側室のそれには一定の傾向が見られ、側室選びに際して好まれる容姿があったことがうかがえる。

面白いなー。