映画 亡国のイージス

カテゴリ:雑記
日時:2005/08/14 09:00

昨夜は「亡国のイージス」を見てきた。

品川のプリンスシネマは指定席を予約できるのがよい。ここを利用するようになってから、「早めに行く」「並ぶ」といったことが一切なくなり、実に快適である。

で、映画。127分という尺に、文庫本2冊分の内容をがんばって詰め込みました、という感じ。原作を読んでいろいろと脳内補完できる人間であれば結構楽しめるのでは。逆に、劇中では明らかに説明不足と思える個所が多々あり、原作を読んでいないとツラいかもしれぬ。 発表済みの出演者により、ヨンファの正体がバレバレなのがそもそもいかがなものか。また、劇中ではヨンファの目的および行動原理が説明不足。一応渥美が「祖国に革命を起こすつもり」と分析したセリフを吐いているが、それだけではちと弱い。

ジョンヒは、映画版では完全に不要。大してキレイでもないし。ジョンヒの登場シーンはすべてムダである。イラネ。

こんごう型イージス艦の映像満載なのはうれしい限り。だが、せっかくの映画だし戦闘シーンはもっとハデでもよかったな。

例えば、うらかぜとの対艦戦。うらかぜの最後をモニタ上の識別マーク消滅のみで描写する演出は、ある意味現代の乾いた戦闘を暗示していてよいかもしれない。んが、やはり被弾&轟沈シーンは見たかったな。予算の都合なんだろうけど。

また、原作ではいそかぜがF-15を1機撃墜し、生き残った宗像が後にテルミット・プラスで復讐に来るという流れで、戦闘機が2度登場する。映画では(F2に変わってるけど)、最初の戦闘はなく、テルミット・プラス搭載機が接近するだけとなっている。やはり、F-15(F2でもいいけど)の撃墜シーンは見たかったな。空自がいやがったのか? まぁ予算の問題だろうけど。

アメリカの横槍によって開発費が増大し、大して役にも立たず早くも生産終了に追い込まれたクソ支援戦闘機F2(FSXと呼ばれていた時代の方が長いのでは?)の映像を見られたのはよかった、かな?

多少の不満はあるものの、原作を読んでいれば楽しめる。見るなら先に原作を読んでおくことをオススメする。「原作を読んでおかなければ理解できない映画」は十分批判に値するが、「原作のあのシーンを映像で」というニーズに答えるものと考えれば、そう悪いものではない。逆に、割り切れない人は見ない方がよいね。