戦闘妖精・雪風<改>

カテゴリ:小説
日時:2005/01/13 22:41


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南極に突然現れた異星体「ジャム」。人類は反撃を開始し、戦場は地球から惑星フェアリイに移行する。いまだ正体が掴めないジャムと戦うフェアリイ派遣部隊FAF。そして、FAF最強の戦術戦闘電子偵察機・スーパーシルフ「雪風」とそのパイロット零。

雪風と零に与えられた任務は、敵の情報を集めて帰還すること。必要とあらば、「見方を犠牲にして」でも。雪風に備わる最高の性能と武装は、見方を守るためではなく、自分を守ることだけのために使われる……。 これを最初に読んだのは、十数年前のこと。もちろんまだ<改>になる前の無印。書店で見かけて無性に再読したくなり、買ってしまった。無印は実家に置いてきたのだが、もう捨てられてしまっただろうなぁ。

神林長平の文体は、簡潔でやや突き放した感じがある。なれるとその切れ味が心地いい。『敵は海賊』シリーズはやや文章が分かりにくい(アプロがぐちゃぐちゃにしてるだけか?)が、雪風の文章はアレに比べてかなり素直だといえるだろう。

肝心の内容だが、もちろん雪風が活躍する単なる戦争ものではない。危機にある味方すら見捨てて帰還するという、非人間的な任務を当然のように果たす零。しかし、ジャムとの戦いは冷徹な零の心をも動揺させる。徐々に見えてくるジャムの正体。零の想像を絶する雪風の行動。

ジャムはなぜ戦いを仕掛けてきたのか? ジャムは何を狙っているのか? そして、「ジャムと戦っているのは誰なのか」? ゾっとするような真実が明らかになっていく。

やっぱり雪風は何度読んでも面白いなぁ。ああ、また『グッドラック』も読もう。

ところで、敵は海賊の続きは出ないのだろうか。