功名が辻 (四)
カテゴリ:小説
日時:2005/01/12 22:43
一豊最大の晴れ舞台となる小山評定。ここでの彼の言動は、家康に大きな感銘を与える。
三成を討つため征西に転じた東軍だが、家康本体は動かない。焦燥をつのらせる福島らの諸将。緊迫した状況の中、ついに家康が動き出し、東西両軍に決戦の気運が高まる。
決戦の地は、関が原。 と、ここまではなかなか頼もしい活躍っぷりの一豊だが、土佐をもらったとたんにいつもの調子に戻る。治安回復は幕府にとっても至上課題とはいえ、一豊(というか土佐)のために意外に面倒見のいい井伊直政が面白い。
その一方で、考え方に齟齬が生じるようになる山内夫妻。千代の言葉を聞こうとしなくなった一豊はどうなるのか。そして、ついに一豊が千代を裏切ったとき、千代は何を思ったのか。
千代が息を引き取る場面の描き方は、実に司馬遼太郎らしいと思った。