山内一豊 負け組からの立身出世学
カテゴリ:日本史
日時:2005/11/05 00:32
いよいよ本格的に増えてきた、大河「功名が辻」便乗本たち。今回は小和田哲男氏の新書本に手を出してみる。「負け組云々」という辺りにPHP研究所らしいイタさが漂っているが、内容自体にこの手の臭気はない。
内容自体は非常にスタンダードな一豊&見性院の概説。山内氏のルーツから始まり一豊の転戦、城主時代を経て土佐国主になるまでを節目ごとに解説。 名馬購入のエピソードはいつのことだったのか?(そもそもこのエピソード自体がフィクションという説もあるが)など、よく知られた話の考察などもある。新書で読みやすいので、小説「功名が辻」ではない「歴史」としての一豊&見性院の入り口にちょうどよいだろう。もちろん、小和田氏の考察にすぎないので鵜呑みにするべきではないが(確かに著作も多いし、俺もこの人の本はたくさん持ってるけどね)。
「功名が辻」以外の本も読んだことのある人にとってはあまり新発見はないかもしれないが、司馬遼の小説しか読んだことがない人であれば、それなり発見もあるだろう。入門書としてはオススメ。