チャールズ王太子の再婚は円満解決か

カテゴリ:歴史関連ニュース
日時:2005/02/12 02:12

チャールズ王太子とカミラ・パーカー・ボウルズの再婚についての第一報を書いた時点ではリンク先のニュース以外に情報もなく、そもそも会社にいたので(ヲイ)調べようもなかった。

その後、謎猫さんやKUBOさんたちから情報が寄せられ、考える時間も取れた。すると、この再婚は思ったよりもセンセーショナルなものではないような気がしてきた。 まず、再婚にいたる背景。

2002年7月9日、英国国教会主教会議は、離婚者の再婚に際し、教会で結婚式を挙行することを認めた。この時点でチャールズとカミラにも言及されているなど、教会側も2人の再婚を意識していたと考えられる。また、上記の記事には明記されていないものの、どうやら主教会議は次期カンタベリー大主教(当時)ローワン・ウイリアムズ氏の働きかけによるもらしい。つまり、国教会が味方についたのである。

では王室はどうか。スポニチの記事だが、女王が渋々OKしたといニュースがある。日付のみで年月が明記されていないが、URLからすると2001年8月16日と考えられる。この記事によると、再婚の条件は

 ・来年(2002年?)以降
 ・プリンス・オブ・ウェールズの称号は与えない
 ・王妃にもしない

とある。ここ2日間の報道とも符号する点が多く、信頼してよかろう。すると、称号関係については、2001年の時点でほぼ落としどころが決まっていたといえる。こうして、2002年の段階で、国教会および王室からの制約はなくなっていたのである。

ではなぜ2005年のいまなのか? おそらくもう1つの制約である「国民感情」の関係ではないだろうか。故ダイアナへの思慕の念とカミラへの抵抗感。これらが薄れてきたと判断したのだろう。この辺りは、イギリスに住んで肌で感じてみないと分からない。

そして、しだいに分かってきたカミラの待遇。2001年の条件がそのまま適用され、さらに具体的につめた感じ。さすがに王の妻に何も称号を与えないわけにはいくまい。

カミラに与えられる「コーンウォール公爵夫人」はどうだろうか。「コーンウォール公」は王の第1王子に与えられる重要な公爵位だが、プリンス・オブ・ウェールズのように王位に直結しているわけではない。王妃(クイーン)の称号を与えないことが決まっている女性にプリンセス・オブ・ウェールズを与えるわけにはいかないだろう。そこで、2番目に重要なコーンウォール公位で手を打ったというところか。

王妃としないとなると、チャールズの即位後にカミラをどう呼べばよいか、ということになる。そこで出てきたのがプリンセス・コンソート(国王夫人)だろう。

例えば、クイーン(女王)と結婚したからといって、夫までキング(王)になれるわけではない。夫はあくまで夫。それをプリンス・コンソート(女王の夫君)と呼ぶ。女王の夫であれば無条件に与えられるわけではないが。

この考え方を男女ひっくり返して考えればよいわけだ。国王夫人というと微妙な表現で意図するところが分かりにくいが、さらに意訳するなら「王の配偶者」程度なのかもしれない。王国の公式な行事に際して、王の隣でファーストレディとして扱うというよりは、あくまでも王家のプライベート面で妻であることを認めたという感じがする。チャールズの次の王である「ウィリアムの(まま)母」にしないためにも、チャールズの単なる再婚相手にしたいのだろう。

結局推論まみれになってしまったなぁ。